当院では咳嗽、特に喘息の診療に力をいれています。
喘息の治療は吸入ステロイド療法の出現により2000年代から大きく様変わりしていますが、学校の1クラスに1人程度はいる有病率のこの病気に対して、治療の担い手は不足していると考えるからです。厳密に言えば喘息に対して薬を出す医師は増えたのですが、その他があまり変わらない状態なのです。
慢性疾患である気管支喘息は、同じく慢性疾患である(いわゆる生活習慣病の)高血圧などと違って一般の方の治療に対する理解があまりありません。言ってみれば高血圧の患者さんは高血圧の治療をするために受診するのですが、喘息の患者さんは今起きている症状をとるために受診するのであって、喘息の治療をしたいといって受診するわけではないのです。
喘息の治療は鑑別診断や投薬も重要です。ですが治療の導入方法、長期的なことも含めた説明はさらに重要であり、導入する側からすると労力のかかることではあります。ですが医療者が積極的に介入することでここまでよくなる病気もあまりないのでしょうか?普段かかっている医師の方針でこれほど予後が左右される疾患もないのではないでしょうか? そういった思いもあり当院では喘息の診療の特に導入に力を入れております。