喘息は原因によっていくつかの種類に分かれます

ご自身の喘息(ぜんそく)の種類とその原因、知っていますか?

写真:工場からでる煙のイメージ

喘息(ぜんそく)は、空気の通り道である気道(気管支など)に炎症が起き、空気の流れ(気流)が制限されてしまう病気です。


気道に炎症が起こる原因には、いろいろなアレルゲン(ダニ、家の埃、花粉、動物の毛やフケ、カビ、ソバや卵白などの食べ物、その他多数)、感染症、運動、心理的要因、大気汚染、煙、薬など、とても多くの要因があります。
これらの刺激に過敏に反応した結果、発作的な咳
(せき)や、“ゼーゼー”と気道が鳴る喘鳴(ぜいめい)、呼吸困難といった症状が起こります。


喘息の種類

喘息(ぜんそく)は、その原因によって、様々な種類に分類されます。

あなたはご自身の喘息(ぜんそく)の種類とその原因を正しく知っていますか?

正確な理解がよりスムーズな治療へと結びつけますので、ぜひ喘息(ぜんそく)の種類と原因を知ってください。


アトピー型喘息と非アトピー型喘息

喘息(ぜんそく)は、大きく2つの種類に分類することができます。

1つはアレルギーの関与が考えられる「アトピー型喘息(ぜんそく)、もう1つはアレルギーが関与しない「非アトピー型喘息ぜんそくです。

アトピー型喘息(ぜんそく)およそ30分程度の短時間で起きる、即時型アレルギー反応によって発症する喘息(ぜんそく)です。
鼻や口から吸入された埃、ダニ、カビ、花粉などに、アレルゲン(抗原)が体内に侵入すると作られるIgE抗体が反応することで起こります。
アレルゲンが特定できるため、予防が可能です。
非アトピー型喘息(ぜんそく) アレルゲンが特定できないためIgE抗体が検出されず、即時型アレルギーではないメカニズムの炎症によって発症すると考えられる喘息(ぜんそく)です。
アレルゲンが特定できないため、どんな状況下で発作が起きたのかに注意を払う必要があります。


アスピリン喘息とは?

写真:アスピリンのイメージ

アスピリンを代表とする多くの鎮痛剤によって発作が誘発される喘息(ぜんそく)「アスピリン喘息ぜんそくといいます。

喘息(ぜんそく)発作の前に鼻水、眼の結膜充血を伴うこともあるため、即時型アレルギーに似ていますが、IgE抗体価が低いことからアレルギーとは異なる仕組みで起きていると考えられています。

なお、ときに意識障害を伴うほどの大発作になり、死に至ることも。


成人喘息(ぜんそく)の約1割を占めるといわれており、男性よりも女性のほうが発症しやすく、その多くは20~50代です。

内服薬や注射だけではなく、座薬、湿布薬でも発作を誘発するので注意が必要です。


咳喘息とは?

写真:仕事をする女性のイメージ

ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴や呼吸困難がなく、(せき)だけが慢性的に続く病気です。

正式な喘息(ぜんそく)ではなく、喘息(ぜんそく)の前段階の症状と考えられています。


アレルギー素因のある人に多く、特に女性に多くみられ、再発を繰り返す傾向にあります。
最近、患者数が非常に増えている病気の一つです。

その原因は不明ですが、風邪、煙草の煙、冷たい風、会話・電話、運動といったものが悪化因子です。
また、咳喘息
(せきぜんそく)は診断が難しく、風邪の後に3週間以上咳(せき)が続く場合や、気管支拡張薬が有効であることから診断される場合があります。


運動性誘発喘息とは?

運動誘発喘息(ぜんそく)とは、運動して起こる発作のこと。

この種の発作は、通常、運動を始めて数分で起き、運動を中止すると30分ほどで回復します。

運動の種類、持続時間、気温と湿度などによっても違いますが、運動誘発喘息
(ぜんそく)が起こりやすいのは、気道が過敏になっているとき、つまり、喘息(ぜんそく)のコントロールがしっかりできていないとき。

逆にいうと、日々のコントロールができていれば、運動誘発喘息(ぜんそく)を回避できるのです。


なお、運動誘発喘息
(ぜんそく)を起こしやすいスポーツは、マラソンやサッカー、ラグビーなど、「屋外で行うもの(冬でも)」「運動量が激しいもの」「持続力が必要なもの」です。

逆に起こしにくいスポーツは、水泳や剣道など、「屋内(夏でも)で行うもの」「瞬間的な運動」です。


あなたは本当に大丈夫ですか?
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